海底2万マイル

見た。ジュール・ヴェルヌ原作、1954年公開。原作は1870年の作。

むかし子供のころに見た記憶が合ったんだけど、どうやら別作品だったようだ。もしかすると、ポセイドン・アドベンチャーかな。
映像は美しく、とても60年以上前の映画とは思えない。

原作小説は既読。だったはず。多分小学生か中学生くらいの頃だったと思うので全く記憶にはないけれど……

ヴェルヌの小説全般に言えることだけど、科学考察がすごく確りしているという特徴があり、小説の発表当時は空想科学であったものが、現代では科学になっているものが多々ある。

これに関しても原作発表当時は完全なSFであっただろうものが、映画公開時には凄く近づき、現在となっては純粋な科学映画としてすらみることが出来るんじゃないだろうか。作品としてのSF的要素のもっとも大きな点はノーチラス号の動力だろうと思うけど、恐らくこれは原子力を予示したものだろう。

実際、この映画が公開された翌年には米海軍が史上初の原子力潜水艦、その名も「ノーチラス」を完成させている。

恐らくこの映画におけるもっとも重要なシーンは、ネモ艦長がその死の間際に話す、
「未来にも希望はある。世界中の人々が、私の発明したものを正しく使う日が来るはず」
という箇所だろうか。

はじめて核が使用された第二次世界大戦から10年もたっていない時代の作品ということもあるのだろう。
しかし戦後70年、この映画が公開されてより61年。
冷戦の収束からも四半世紀余りがたち、世界が滅びるリスクは確かに減っているとはいえ、本当に「世界中の人が正しく」使えているのだろうか。